値動きの要因を理解する

「相場」は得体の知れない生き物です。FXの基本的な仕組みを知ったからといって、すぐに相場に挑むのはあまりにも無謀というもの。相場が動く要素を知って、今後を予測することがFXに勝つ秘訣です。

FXはギャンブルか?

投資とギャンブルは、ときとして混同されることがあります。投資とは、大切な資産を、できるだけ確実に大きく増やすのが基本。これに対しギャンブルとは、どちらかといえば”カン”に頼って、一攫千金を狙うイメージがあります。

FXをギャンブルのように楽しむというのも一つのスタイルかもしれません。でも、それで一度や二度まぐれ勝ちをしても、ずっと勝ち続けることはできないでしょう。それどころか、大切な資産を失ってしまうかもしれません。

FX初心者が、勝率を高めるには、相場の変動要因を理解し、今後の値動きを分析することが大切です。

相場を動かす4つの要因

為替相場は、どのような要因によって変動するのでしょう?
為替のプロと呼ばれる人の間では、一般的に

  • ファンダメンタルズ要因
  • テクニカル要因
  • 実需要因
  • 政治要因

などを指摘します。

ファンダメンタルズ要因

国の経済成長率、国際収支、物価、失業率といった「経済の基礎的条件」をファンダメンタルズといいます。これらの条件が、その国の現在、または今後の経済力を決定づけるため、通貨の価値にも大きく影響します。

テクニカル要因

為替のプロ(ディーラー)は、過去の値動きをさまざまなチャートによって分析し、取引方針を決めます。こうしたテクニカル分析による取引も、相場を大きく動かす要因となっています。テクニカル分析は、統計的な要素を含む分析手法であり、売買の意思決定に大きな影響を与えます。

実需要因

自動車や家電メーカーによる大規模な輸出決済、海外企業買収、外債発行などの実需にともなう巨額の外貨決済も、相場に大きな影響を与えます。

各国通貨当局による介入

自国通貨の相場を安定させる目的で、金融当局が市場介入することもあります。これは為替相場を大きく動かす要因の一つです。

政治要因

戦争や政変などの有事は、その国の通貨価値に大きく影響します。ちなみに、米ドルは「有事のドル」と呼ばれ、戦争や天変地異の際によく値動きします。

これらの要因を踏まえて取引したとしても、相場は気まぐれに動くことも珍しくありません。その時々の情勢に応じてフレキシブルに売買することが大切です。

外国為替相場に影響する主な経済指標

統計の種類 チェックポイント 発表時期
雇用統計 前月の失業率、非農業就業者数、製造業就業者数、小売業就業者数などを発表。雇用状況の悪化は、米ドル相場を下げる要因になりやすい。とくに失業率、非農業就業者数を要チェック。 毎月
第1金曜日
小売売上高統計 商務省が前月の消費財の小売売上高予測を発表。主力産業の一つである自動車の販売実績が大きく反映されている統計のため、米ドル相場への影響も大きい。 毎月
第2週ごろ
経済成長率 前月の国内総生産(GDP)成長率を発表。このほか、4,7,10,1月には前月までの四半期のGDP成長率(速報値)が発表される。確定値の発表は期末から3ヶ月後と遅れるため、速報値は要チェック。 毎月下旬
住宅着工件数 前月の着工件数と建築許可数を発表。住宅需要はアメリカ経済の重要な牽引役。消費者の購買意欲を色濃く反映しており、米ドル相場を読む上で重要な指標の一つとされている。 毎月
第3週ごろ
貿易収支統計 商務省が前月の数値を発表。貿易赤字の拡大は、アメリカの為替政策に影響しやすいので注意が必要。国別収支にも注目。 毎月中旬
消費者物価指数 労働省が前月の指数を発表。CPI(コンシューマー・プライス・インデックス=消費者物価指数)と称される。為替相場そのものよりも、スワップ金利に影響を及ぼしやすい。 毎月中旬

相場の分析手法

相場を動かす要因を、大きく分けて4つ挙げましたが、政治や経済ばかりではなく、天候や季節なども為替を動かす要因となります。これらは、『ファンダメタルズ(経済の基礎的条件)』と言い、これらを材料としての為替の動向を探る作業を『ファンダメンタルズ分析』といいます。

これに対して、為替は最終的には需要で決まるという考えのもと、過去の為替市場の動きから統計的に予測する方法を『テクニカル分析(統計的分析)』といいます。どちらが良いというのはありませんが、多くの投資家の手法は、

  • 長期保有のケースでは『ファンダメンタルズ分析』
  • デイトレードなどの短期売買では『テクニカル分析』のみ

というのが一般的にいわれています。