為替相場で注目されるのは・・・
GDPは、国内で生産されたモノやサービスなどの金額を合計したもので、全体の経済力を集約した指標。そのため、国の経済成長や景気動向などを総合的に判断するための参考になります。
GDPには単に生産額を足し合わせただけの「名目GDP」と、インフレやデフレの影響を除いた「実質GDP」があり、為替相場で注目されるのは、実質GDPです。また、GDPの伸び率(経済成長率)も注目されます。
米GDPと貿易収支
アメリカのGDPは、四半期ごとに発表されます。
発表スケジュールとしては、四半期が終了した翌月末に「速報値」、翌々月末に「改定値」、3ヶ月後の月末に「確定値」が明らかになりますが、為替相場がもっと敏感に反応するのは「速報値」です。
確定値が最も正確な数値ですが、発表されるころは既に次の四半期が終了しているので、直近の景気判断材料としては、ほとんど意味がありません。
アメリカのGDPは、個人消費支出の占める割合が7割前後(名目ベース)と高く、その他、設備投資、住宅投資、在庫投資などの項目で構成されています。これらの全ては、アメリカ国内で生産されたモノやサービスなどの合計額を示し、国内全体の経済活動がいかに活発であったか、あるいは活発でなかったかを全体的に示すことになります。
赤字拡大はドル安要因に
貿易収支は、輸出額から輸入額を引いたものです。
アメリカの貿易収支は長く赤字が続いています。かつては対日貿易赤字の問題が取り沙汰されましたが、最近は、経済成長が著しい中国からの輸出攻勢により、対中貿易赤字が拡大しています。米国会で頻繁に批判や議論が繰り広げられています。
貿易には決済がつきものですから、貿易赤字の拡大は為替レートに大きく影響します。代表的な例で取り上げられるのは、「プラザ合意」(1985年)です。対日貿易赤字に代表される貿易不均衡を是正するため、G5(当時)各国がドル安を目指して協調介入した結果、大幅な円高が進行しました。
アメリカの貿易赤字はここ数年も拡大傾向にあり、赤字の大半を占める中国に対して、人民元の切り上げを要求する圧力が生まれています。また、貿易赤字の拡大は、アメリカの主要経済指標の一つである『経常収支』の悪化にも結びつきます。
基本的には、貿易黒字国の通貨は買われやすく、貿易赤字国の通貨は売られやすい傾向にあります。